「ピュア」ヘーゼルナッツペースト

このペーストとの出会いは、妻が小田原の羽根尾にあるサガミ産業さんへ営業で伺った時に、商材の売り方を相談されて色々持って帰ってきたサンプル品の中にあったものだ。

サガミ産業さんは元々こうしたナッツ類の輸入をし、様々に加工してケーキ屋さんなど製菓の会社を対象に卸しているそうで、つまりはプロ仕様なのだ。

ピュアなヘーゼルナッツペーストというのを初めて食べたのだが、まず蓋を開けた瞬間の香りでやられてしまった。味は濃厚で、甘さはヘーゼルナッツの甘味だけ。何も加えてないのが良いと思った。直感的に、なんとも贅沢なものだと思った。

事務所に帰ってきた人間をかたっぱしから捕まえて食べさせてみたが、皆一瞬笑顔になったあと、目を見開いて驚いている。「実はね…」とはなすと、またびっくり。やはり、皆「何も入ってないというのがいいですね」と一様に口を揃える。

そこからは食いしん坊の料理好きが多い事務所なだけに、「パンには絶対だけど、ドレッシングにもいい」、「ヨーグルトにそのままはどうか」とか、「白和えなんかもいけますね」など、アイデアが止まらない。

そこで、頼まれてもいないのにパッケージのデザインを考えはじめ、ついには自分たちで売りはじめてしまったのだ。本業はデザイン会社なので、在庫を抱えるわけにはいかず大量には作れない。つまり、商売にはならない。それでも「良いモノを良いカタチで世に出したい」というのはデザイナーなら誰しも持っている性だろう。余計な仕事をまた一つ増やしてしまうことにも気づいていながら。

なので、写真ではその時たまたまいただいた小田原の苺につけて撮影したが、基本的には自由な発想で食べてもらいたいと思っている。たまにはそんな決まりきってない奴が登場してもいいじゃないか、とも少し反抗的な気持ちで思ってもいる。苺にはもちろんうまかったが。

ちなみに、この商品インスピレーションを受けて「Pure & Luxury」というシリーズを展開することにした。その名の通り「純粋で、贅沢なもの」を集めていこうと思う。

で、ぼくはというと、赤身のステーキ肉を塩と胡椒でミディアムレアに焼き、そのままつけて楽しんでいます。

写真・文|長嶺俊也 Shunya Nagamine
(LOBBYオーナー兼クリエイティブディレクター)